2020年 08月 30日
”俵屋の不思議”<真美弥の本棚②> |

「職人がいなくなったら、俵屋はなくなります」
これは着物業界にそのままあてはまる言葉。
20年前この本を読んで、いつか一度は俵屋さんに泊めて頂きたいと思っていました。
女主人と職人さんたちのこだわりと感性から生まれた俵屋がどんな佇まいなのか、
この夏、念願が叶い行ってきました。
館内を散策しようと廊下を歩いていると、
とってもハリのある女性の声が聞こえて来ました。
声の主は、裏方に徹しておられてまさかお会いできるとは思っていなかった女主人の佐藤年さん。
とっても存在感のある女性でした。
ひとしきりお話を聞かせて頂いた後、旅館の方に館内のお部屋を見せて下さるように言って下さいました。

どのお部屋にも庭があり、
まさに市中の山居。

2階とは思えない、故アーネスト・サトウ氏(写真家で佐藤年さんのご主人)のアトリエ。

竹の影絵の優しい光を取り入れた、面白い趣向の窓。

窓枠に切り取られた日本画。
毎年すき勝手に生えてくる竹を美しく整えるのに、
心をくだかれているとお伺いしました。

灯りが心をなごませてくれます。

この竹組みの奥には、なんとテレビが収納されていました。

数寄屋づくりと佐藤年さんのモダンな感覚が融合した、
俵屋ならではの美を堪能させて頂きました。
by kimono-mamiya
| 2020-08-30 08:48
| 真美弥の本棚
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