
なんば駅からすぐ近くという便利な場所にありながら、
いつ行ってもほとんど貸し切りみたいに、ゆっくり見せて頂ける美術館。
学芸員の方に案内されて会場へ入って行くと、
まず目に飛び込んできたのが、
正面に展示されていた大きな絵 ”軽井沢風景”。
上のチラシの絵です。
深くて濃い生き生きとした色彩と,
内から盛り上がってくる様な"気"。
しばらく釘付けになってしまいました。

"松と富士山"。
デトランプという初めて知った絵の具の名前。
日本画の顔彩(がんさい)を膠(にかわ)ではなく、
接着剤やシンナーなどで溶いた絵の具だそうです。
洋画と日本画の融合。
深味があって味わいのある彩色でした。
梅原龍三郎は、20歳でフランスに渡ってルノワールに師事し、
ヨーロッパ美術を通して自身の表現を探求。
帰国後は豊潤かつ明快な色彩を用い、
日本画の伝統を洋画の中に融合させた独自の画境を築いた画家。
若いころにはあまり好きでなかった鮮やかなな色合いですが、
とても惹きつけられるようになりました。

何度か行くうちに学芸員さんに顔を覚えていただいて、
ていねいに絵の解説を聞かせて頂くようになりました。
こじんまりとしていて、お勧めの美術館です。

2018年1月31日(水)まで (土曜・日曜休み)
於:山王美術館 (ホテルモントレグラスミア大阪22階)
TEL 06-6645-7111