勝山健史帯 ”ヨーロッパ七宝” <工芸帯地洛風林の帯> |

洛風林さんから勝山健史氏の帯が届きました。
橡色(つるばみいろ)と書かれていますが、少し青味を含んだチャコールグレーの地色。
以前、同じ柄の帯を紹介させて頂きましたが、
色が変わると、全く別の帯。
散りばめられた黒の水玉は箔の色。
箔と言えば、きらびやかな色を思い浮かべますが、
この帯の箔は、黒箔。
和紙を黒く染めてからマットな質感の箔に作られています。
箔の色が覗いて見えるのは、水玉の部分だけですが、
裏に箔があることによって、地色も何とも言えない深みのある趣きです。

気品のある、”ヨーロッパ七宝”。

存在感のある、織りの組織。
塩漬け糸が上品な輝きを放ちます。

こちらは、前の柄です。

店に展示していましたら、遠くからお越し下さったお客様が、
「とてもきれいな帯ですね。」と、しばらく見入っておられました。
光の向きによって、幾通りにも表情が変化する帯。
いつまでも見ていたくなる不思議な帯です。