2015年 04月 07日
創作着物 伊達家伝来の陣羽織から (制作過程) |
数種類の大きさの、赤、青、黄、緑、白の丸。
すっきりとバランスよく配置するには、どうすれば‥‥‥・?
試行錯誤を繰り返し、ようやく配置がまとまってきました。
意外に思われるかも知れませんが、これは着物の図案なのです。
この切り抜きの衣裳は、伊達家伝来の水玉模様陣羽織。
よく見ると、大きさのちがう五色の水玉が実に見事に配され、
さすがとしか言い様がありません。
この切り抜きをお持ちになったお客様のご依頼で、
水玉模様陣羽織をもとに、着物を制作中です。
何度も、水玉の大きさを変えたり、置き方を変えたり。
肩と胴と裾、三色の染め分けにし、
裾には大きな丸、肩には小さな丸、そして胴は無地です。
どんな着物に染め上がるか、
そのお客様も、楽しみにして下さっています。
白生地に下絵が描かれ、お客様の最終チェックを頂いて、
いよいよ染めの作業に入ります。
染め上がりましたら、
また掲載させて頂きますので、ぜひ御覧ください。
この着物は、ご依頼のお客様のご好意により、
制作過程を、掲載させて頂いています。
※ ※ ※
店主が若い頃お世話になった東京 京橋の”かるも屋”さんは、呉服の小売店でしたが、
訪問着や留袖などの友禅の着物は、自店で図柄を考案し直接染めに出していました。
若き日の店主は、下絵屋さんや糊屋さん、友禅屋さんと、染めの職人さんを廻り、
杉村春子さんや、小川真由美さん、越路吹雪さんといった
当時ご活躍の方達のお着物の染めにも、ずいぶんと関わらせて頂きました。
着る方、お一人お一人に合わせて、生地・色・柄などを考える別染めですが、
その方法は色々。
中世や近世の着物の文様を参考に図案を考える方法が一般的ですが、
亡き方の想い出の花を、着物にして残したいとおっしゃった方や、
郷土の山を着物に描いて欲しいという方等‥‥‥。
又、実際にある着物を元に、色や、柄の大きさや数・位置などを変えて、
着る方のお好みに合わせて染めますと、
はじめて別染めをなさる方には、出来上がりが予想できて安心です。
40年近く、これまでに手掛けた別染めは数百枚になりました。
これからも、さまざまなご注文にお応えさせて頂きたいと思います。
by kimono-mamiya
| 2015-04-07 08:00
| 別染(着物・帯・コート・他)
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