"珠玉の日本画コレクション展” 於 : 山王美術館 |
都会の中の隠れ家的な美術館です。
こちらで開かれている日本画の展覧会を拝見させて頂きました。

会場に入ると、まず横山大観の「東海の灘」。
波のひとしぶき、松の一枝、海鳥一羽一羽の羽根の羽先にまで行き届いた描写。
今まであまり知らずにいた横山大観ですが、
さすが名を遺した大家だけあると、しばらく見入ってしまいました。
11枚ある横山大観の絵の最後は、”寒山幽香”
題の通り、静けさが伝わってくるような存在感のある絵の前から動けないでいると、
学芸員の女性が近づいて来られ、大観のこの絵について教えて下さいました。
モノトーンに近い色彩の絵ですが、
使われているのは、特別な墨。
普通の画家なら所蔵品として大切に取っておくような墨を集めて、
自分の作品のためにその貴重な炭を使って絵を描いたということです。
そんな思いが、ひしひしと伝わってくる魅力的な一枚でした。
東山魁夷の作品も何枚か展示されていましたが、”冬映”と”冬暖”の二枚は、
これまでに見た作品とは又ちがったタッチと色遣いの新発見の東山作品。
他に、橋本関雪、河合玉堂、伊藤深水、小林古径、村上華岳、
上村松園、松篁、淳之等々。
こんなひっそりと、ほぼ貸し切りの美術館で、
こんなにもたくさんの絵に出会えるとは、思ってもいませんでした。
絵葉書もなく、写真を載せることができませんが、
日本画に興味がお有りの方は、
この展覧会をご覧になる値打ちが充分にあることと思います。

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この前に引き続き、紅葉の便り。
お天気に恵まれた日曜日の奈良は、人また人の賑わいでしたが、
春日大社の森に一歩入ると、別世界のすがすがしさ。
色とりどりの紅葉が夕陽に映えて、見事な眺めでした。