2013年 05月 18日
「Kimono Beauty」 於 : 奈良県立美術館 |

江戸から昭和にかけての着物を一堂に会した展覧会が、
奈良県立美術館で開かれています。
時代によってだけではなく、武家と公家と町民、
また同じ町民でも裕福な町民とそうでない人とでは、
階級によって着るものがどのように違っていたか、
わかりやすく展示されていました。
江戸の武家の着物は、立木模様といって裾から肩にかけて枝が延びた模様付けで、
公家の着物は、胸や裾などそれぞれに模様が配されていて‥‥等々、
なかなか見ごたえのある展覧会でした。

江戸から昭和にかけての着物は、友禅の技法が使われていますが、
今の着物とは、どこか違うように見えます。
糸目糊の線が見えない程に細いのです。
40年程前になりますが、店主が東京のかるも屋さんで修業していた頃、
名人といわれた糊置き職人さんでもこの細い糸目糊を置くことはできなくて、
その糊置き職人さんのお父さんだったら、
この糸目糊を置くことができたと聞いたことがあります。
楊枝糊といって、竹でできた楊枝の先に糊を巻き付けて、
文様の輪郭等を描き出していたそうです。
高度な腕がいる、今では途絶えてしまった技のひとつです。

ボストン美術館ビゲローコレクションの着物17領も初里帰りで、同時展示されています。
明治時代、当時は廉価だった古着が、
来日していた外国人によって美術的価値を見出され、
高価で取り引きされて、ずいぶん多くの着物が海外に渡ったそうです。
* * * * *

美術館から東に歩いて行くと、奈良公園の飛火野。
ここまで来るとほんとうに、のんびり~~~ ゆっくり~~~
by kimono-mamiya
| 2013-05-18 09:00
| あれこれ
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